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2014年07月20日
厚生年金・国民年金の財政見通しの公表
国は法律(厚生年金保険法・国民年金法)に基づき、5年ごとに年金制度の財政検証を行い、その結果に基づき法律改正を含む制度の手直しをしています。
この検証が当たらない。もちろん誤差の範囲をどの程度とるかによって『概ね当たっている(誤差の範囲内)』ということは可能です。しかし、データの取り方、各種指標の選択が、政策や法律の方向性に合わせて都合よく高めあるいは低め又は希望的観測に基づいて取るものですから当たらなくなってしまいます。
この直接(大元の原因についてはまた別の機会に)の原因は平成16年に行われた年金法の改正経緯にあります。『100年安心』などというスローガンのもと行われた改正でしたが、改正時にはすでに『100年安心』とはならない状態でした。ご記憶の方も多いかと思いますが、国会での改正時には問題の核心とは全くかけ離れた『失われた5,000万件の記録』問題が提起され、国会が紛糾し十分な議論がされないまま改正が行われてしまいました。勿論年金の記録は大切なことは当たり前ですが、年金の制度設計の話と記録の維持の話は別にしないと、結果として議論のすり替えになってしまいました。
少子化が進行し、年金受給者が増大し年金財政が破たんしかねないということは関係者の間では、昭和40年代から周知の事実です。そのため持続可能なように制度の改正を着実に行っていかねばなりません。なぜなら年金制度は国民全体に影響が及ぶため、仕組みを変えることなどの変更は、十分な年月(例えば支給開始年齢を5年遅らせるだけで27年間かけています)とあらかじめの国民に対する周知が絶対的に必要だからです。
平成15年の国会議員の議会での行いは、結果として国民に年金制度の不信感だけを抱かせるという結果になってしまいました。
もっとも国会議員のレベルは国民のレベルを超えないのでしょうけれど。
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